歯がズキズキ痛む「歯髄炎」とは? 原因と予防法について解説します
歯髄炎は、歯の奥にある「歯髄」という部分が炎症を起こす病気です。
歯髄は神経や血管が集まっており、炎症を起こすと歯がずきずきと痛く感じます。
歯髄は歯の健康を守るうえで大切な組織ですが、虫歯や歯肉病などにより歯髄内部に細菌が侵入すると炎症が起き、歯髄が壊死してしまうことがあるのです。
そのため、虫歯予防や口腔内の健康管理をしっかりと行うことが大切です。
歯髄炎の原因
歯髄炎の原因としては、主に以下のようなものがあります。
・虫歯
虫歯は、歯の表面についた食べかすを栄養として増殖した”虫歯菌”によって起こる病気です。虫歯が進行すると、歯の表面だけでなく、内部の歯髄にも菌が侵入してしまいます。菌によって歯髄が炎症を起こすことで、歯髄炎が発症してしまいます。
・歯肉病
歯肉病は、歯周病とも呼ばれる歯茎の病気です。歯垢や歯石が溜まることで、歯肉が炎症を起こし、歯茎から出血したり、腫れたりすることがあります。歯肉病が進行すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間が深くなり、歯周病菌が入り込んで歯髄炎を引き起こすことがあります。
・歯の破折
事故や怪我により歯が折れたり欠けたりした場合、歯髄が露出することがあります。歯髄が露出すると、内部に細菌が侵入し、炎症を引き起こすことがあります。
以上のような原因で、歯髄炎が発症してしまうことがあります。ずきずきとした痛みを感じながら生活を送ったり、歯髄炎により歯髄が壊死して歯の健康が損なわれることは避けたいですよね。
歯髄炎の予防法
歯髄炎を予防するためには、以下のような予防策があります。
・歯磨きをしっかりと行う
歯磨きは、虫歯や歯周病を予防するために非常に重要です。歯磨きをすることで、口内の細菌を除去し、菌のエサとなる歯垢や歯石の発生を防ぎます。歯磨きでは、歯ブラシと歯磨き粉を使用し、歯の表面だけでなく、歯と歯茎の隙間もしっかりと磨くことが大切です。
・定期的な歯科検診を受ける
歯科検診は、歯の健康状態を把握し、早期発見・治療するために非常に重要です。歯科医師が歯の状態を詳しく調べ、虫歯や歯周病、歯髄炎などを早期発見することができます。また、歯科医師による専門的なクリーニングで、歯垢や歯石を除去することもできます。
・食生活の改善
食生活も、歯の健康に大きな影響を与えます。甘いものや酸っぱいもの、硬いものなどは、歯を傷つける原因になります。そのため、できるだけ歯に優しい食べ物を選び、歯の一部に圧力が加わりすぎないように食べ方にも注意するようにしましょう。
・スポーツなどで歯を傷つけないようにする
スポーツにより他人との衝突や転倒などが発生すると、歯を損傷してしまうこともあります。こうしたリスクが高いスポーツを行う際には、歯を保護するマウスガードなどを使用することで、歯を守ることができます。
歯髄炎の治療法について
歯髄炎の治療の方法には、以下のようなものがあります。
・薬物療法
歯髄炎の初期段階であれば、薬物療法で炎症を抑えることができます。抗生物質や抗炎症薬を使用することで、炎症を抑え、痛みを和らげることができます。
・根管治療
歯髄炎が進行してしまった場合には、根管治療が必要になります。歯の内部にある歯髄を取り除き、根管を清掃し、人工物を充填することで、自分の歯を残すことができます。ただし、歯髄を取り除いた歯は、歯髄のある歯よりも強度が落ちるリスクがあります。
・歯の抜歯
歯髄炎が進行し、歯の保存ができない場合には、歯を抜歯する必要があります。歯を抜歯することで、周囲の歯や顎の骨に影響を与えることがなくなりますが、入れ歯やインプラントなどの補綴が必要になる場合があります。
治療後のケアについて
治療後のケアも大切です。治療後は、歯周病や再発を防ぐために、以下のようなケアを行うことが重要です。
・磨き方の改善
治療後は、磨き方を改善することで、歯髄炎の再発を防ぐことができます。歯ブラシを歯に対して垂直に当て、やさしく磨くようにすることが大切です。また、磨き残しがないように、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に当て、軽く磨くようにしてみましょう。
・定期的な歯科検診の受診
治療後も、定期的に歯科検診を受けることが重要です。定期的に歯科医師に診てもらうことで、再発や合併症の発生を防ぐことができます。
・食生活の改善
治療後は、食生活の改善も大切です。歯を傷つける食べ物や飲み物は避け、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
・ストレスを減らす
ストレスは、歯の健康にも影響を与えます。ストレスがたまっていると、口腔内の血流が悪くなり、歯周病や歯髄炎などの発症リスクが高まります。ストレスを減らすためには、十分な睡眠や運動、ストレス解消法を取り入れることが大切です
【まとめ】
ここでは、歯髄炎の原因や予防法、治療方法、ケア方法についてまとめてみました。
歯髄炎は、日常のQOLを低下させる原因となり、可能な限り発症を避けたいものです。
しかし、歯髄炎による痛みや不快感などの症状が出た場合には、早期発見・治療することが大切です。
また、予防にも力を入れることで、発症を事前に予防することができます。
定期的な歯科検診や適切な歯磨き、食生活の改善、ストレスの軽減など、日常生活でできる予防方法を実践しましょう。